Effects of activation of an alcohol metabolic gene, cigarette smoking and alcohol intake on the incidence of metachronous gastric cancer in patients who underwent endoscopic resection for gastric cancer: a multicenter retrospective pilot study

受理日:2023年03月18日

雑誌:JGH open

2018年に Journal of Gastroenterology に受理された学位論文、いわゆる「唾液study」の延長線上に位置づけられる胃癌版の研究が、このたび JGH Open にアクセプトされました(https://doi.org/10.1002/jgh3.12896)。

本研究は、胃癌に対して内視鏡治療を受けた患者を対象に、異時性多発癌の発症に関与する要因を解析したものです。飲酒・喫煙歴やピロリ菌感染の有無に加え、遺伝子多型検査も組み合わせて検討し、今後の患者指導やサーベイランス戦略の最適化に寄与する知見を提示できたと考えています。ADH1BやALDH2については今回有意差を示すことはできませんでしたが、症例をさらに積み重ねることで有意な関連が明らかになる可能性があると期待しています。

特にALDH2の遺伝子多型は日本人を含む東アジア人に特徴的であり、飲酒や発癌リスクとの関連は、頭頸部癌や食道癌に加え、胃癌以外の領域でも今後報告が増えていくのではないかと思われます。大学院時代に上司と構想を練ってきたテーマを形にできたことを大変嬉しく感じています。

今回の研究を通じ、症例集積や資金調達の大変さを改めて学びました。唾液採取は、僕の青春の続きです。

タイトルとURLをコピーしました