受理日:2021年09月15日
雑誌:Endoscopy
本症例は、筋層牽引所見を伴う隆起型直腸腫瘍に対して、ハサミ型ナイフであるクラッチカッターを用い、isolation method と picking technique を組み合わせて切除を行ったものです(参考:https://doi.org/10.1055/a-1669-8365)。isolation method は、NTT東日本関東病院から提唱された double-tunnel method に着想を得て発展させた手技です。また、クラッチカッター先端を用いた picking technique は、狙った小範囲を丁寧に切る際に有効です。
大腸ESDは日本および東アジアで標準的に行われていますが、欧米を含む国際的な普及はまだ十分ではありません。クラッチカッターを活用したこれらのテクニックは、世界に大腸ESDを広めるうえで有力な選択肢となる可能性があります。