受理日: 2025年08月06日
雑誌:Endoscopy
このたび、経口内視鏡的筋層切開術(POEM)における新しい方向確認法「EndoBubbloMeter」の報告が、Endoscopy 誌の E-Videos に掲載されることになりました(https://doi.org/10.1055/a-2686-7964)。
POEMでは、下部食道括約筋の2時方向、すなわち前方と後方のスリング線維(斜走筋)の間を通してトンネルを形成します。この位置を正確に保つことが、術後の胃食道逆流を防ぎ、良好な治療成績を維持するために非常に重要です。
しかし、トンネルを真っすぐに保ちながら剥離を進めるのは簡単ではなく、特に初学者にとっては難易度の高いポイントです。スコープを過剰に回転させると、スリング線維を損傷してしまう危険もあります。
そこで、我々が開発したのが「EndoBubbloMeter(エンドバブロメーター)」です。これは水準器の発想を応用したシンプルな仕組みで、透明キャップ内に少量の液体を入れ、内部にできる気泡の位置を目印として内視鏡の水平を確認できます。剥離中の方向感覚をつかみやすくし、トンネルをより直線的に維持することが可能になります。