Risk-stratified evaluation of prophylactic strategies for delayed bleeding after gastric ESD: a multicenter retrospective study on clipping efficacy in the low-risk category

受理日:2026年04月12日
雑誌:Acta Gastro-Enterologica Belgica
形態:Original article

胃ESD後の遅発性出血に関する研究が、このたびアクセプトされました。

今回の研究では、胃ESD後の遅発性出血予防について、BEST-Jスコアによるリスク層別化を用いて検討しました。日常診療の中で行ってきた工夫である、modified search, coagulation, and clipping(MSCC)法、およびポリグリコール酸シートとフィブリン糊を併用したPMSCC法の有効性を、複数施設の後ろ向きデータを用いて評価しています。

結果として、低リスク群ではMSCCにより遅発性出血は認められず、信頼区間の上限も既報の閾値を下回る結果となりました。シンプルでコスト効率の高い方法であっても、十分な予防効果が期待できる可能性が示唆された点は、日常臨床において重要な示唆だと考えています。

一方で、中間リスク群では明確な結論には至らず、高リスク群においてはMSCCおよびPMSCCのいずれも十分な予防効果は得られませんでした。この結果から、遅発性出血予防は一律の対応ではなく、リスクに応じた戦略が必要であることが改めて示されたと感じています。

今回の研究は、これまで現場で積み重ねてきた手技の工夫を、「リスク層別化」という形で整理し、エビデンスとして提示できた点に意義があります。いわば、日常の“なんとなく良さそう”を、きちんと検証した形です。

現在は、ESD後潰瘍底に対する縫縮など、新たな予防手技についても検討を進めています。特に高リスク症例に対しては、より強力かつ再現性のある戦略が必要であり、今後の課題と考えています。

引き続き、「シンプルで再現性があり、かつ安全な内視鏡治療」を目指して、現場発の工夫を形にしていきたいと思います。

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